■小説/アルジャーノンに花束を

最近、山下智久さんが主演をつとめてドラマ化された、

アメリカのダニエル・キイス氏の中編小説になります。


テーマは、


「もし人間の知能を人工的に高めることができたら、いったいどういうことになるか」


知的障害のある主人公・チャーリイ(32歳)の書いた記録(経過報告)によって物語は進んでいきます。

チャーリーは、おじの知り合いのパン屋で働き、他人を疑うことを知らず、周囲に笑顔をふりまき、誰にでも親切であろうとする人気ものでした。一方で過去の母親から知能障害によって勘当された記憶から、頭が良くなりたいと強く願っている。


知能を驚異的に高める手術。

動物実験の対象となったハツカネズミのアルジャーノン。チャーリーは人間第一号として。


“「知能」が人間に与えられた最高の資質の一つであるにもかかわらず、

その知識を求める心が、愛情を求める心を排除してしまう”


愛情は光のように無限に外に広がる、

知識は時として深い焦点、闇に、自己が引き込まれる、

そんな感覚って、確かにありますよね。知識によって人は文化と歴史を獲得した一方、

それは連綿とした知識の積み重ねであって、1個人が知識によって全能になることはない。


でも、何かの目標に向かってそれが達成されたときに得た知識に引き込まれる、

つまり知識を得ることが目的に変わってそれ以外を排除しようとする心の動きって、

確かにあるなと。そこに知識そのもの自体の怖さがある。知識とは本来的には、

経験と体験によって知覚したものに他ならないからだ。


さて知能を得た、アルジャーノン、チャーリーがどのような人生を結末を迎えるのでしょうか。


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